ソフトバンクの千賀滉大投手（29）が15日、今季取得した海外フリーエージェント（FA）権を行使することを明言した。

　チームは同日のクライマックスシリーズ（CS)ファイナルステージ第4戦でオリックスに敗れ今季全日程が終了。試合後の取材に応じ「行使は絶対にします。もう６年くらい言っていますし、今さらどうこう変わることはない。このチームのために僕がやれることはまだあると思うので。そういうところに対して、いろんな方とコミュニケーションを取っていけたら」と話した。

　千賀はワールド・ベースボール・クラシック（WBC)に初出場した2017年から毎年、オフの契約更改交渉の席上で球団にポスティングシステムを使っての米メジャー移籍を直訴。前例のない球団は一貫して認めなかったが、海外FA権取得を控えた昨年オフの交渉で推定年俸6億円（変動制）の5年契約を締結。国内他球団への移籍ができない一方、メジャー移籍する場合に限って期間途中でも破棄できるオプトアウト条項がついた異例の大型契約を結んでいる。

　17年WBCで日本選手唯一の大会優秀選手（ベストナイン）に選ばれた千賀の名は早くから米球界に知れ渡っており、自己最速を更新する164キロも記録した今シーズン後半は登板のたびにメジャー球団のスカウトがスタンドに集結。入団時の推定年俸270万円からスタートし、ノーヒットノーラン、五輪金メダル、7年連続2桁勝利など育成出身選手として数々の歴史を塗り替えてきた剛腕が新たなステージに挑む可能性が高まった。