ソフトバンク藤本監督が退任 後任は小久保2軍監督、3年連続V逸で「ミスターホークス」に常勝再建託す

2023年10月15日

 ソフトバンクの藤本博史監督(59)が今季限りで退任し、来季の新監督として小久保裕紀2軍監督(52)が昇格することが16日までに分かった。今季は3年ぶりの優勝を目指したが3位にとどまり、14日からのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでは2位ロッテに1勝2敗で敗退。3年連続で日本シリーズに進めなかった。藤本監督は2年契約の2年目で契約を満了し、来季は新体制で常勝軍団復活を目指すことになった。

 藤本監督は就任1年目の昨季はオリックスと全く同じ成績ながら直接対決で負け越したことによる規定で優勝を逃し2位。CSではファイナルステージでオリックスに敗れ日本シリーズに進めなかった。3年ぶりの優勝を目指した今季は首位に立っていた7月に球団54年ぶりの12連敗を喫するなど苦しみ、リーグ3連覇を達成したオリックスと15・5ゲーム差。2年連続のCS出場は果たしたものの、最終戦までもつれた2位争いでは勝率1毛差でロッテにかわされ3位に終わった。

 2021年まで指揮を執った工藤前監督から藤本監督がチームを引き継いだ際、再建の最重要課題は世代交代だった。野手では柳田、中村晃、甲斐、今宮ら30代になった主力が主戦を張る一方、レギュラーを脅かす若手が育っていない。投手でも米メジャーのメッツへ移籍した千賀の穴を埋める存在が見当たらず、今季の2桁勝利は米球界から3年ぶりに日本復帰した有原のみ。本塁打、打点、出塁率の打撃3部門でタイトルを獲得した近藤、抑えのオスナら補強組が活躍しながら、モイネロ、栗原らの故障離脱や外国人打者の不振で歯車がかみあわず、今季も覇権奪回はならなかった。

 元侍ジャパン監督の小久保2軍監督は2021年にヘッドコーチとして9年ぶりにソフトバンク復帰。当時の工藤監督から一任され攻撃面を中心に担当したが、結果が伴わずチームは4位に終わった。同年シーズン後に2軍監督へ配置転換となり、世代交代が急務のチームで次代を担う若手の育成、底上げを託された。優勝が至上命題の1軍には選手の状態を見極めて送り込み、今季は4軍制導入によるマネジメントの変化にも対応しながらチームを3年ぶりのウエスタン・リーグ優勝と4年ぶりのファーム日本一へ導いた。
 
 球団は藤本監督の後任として他球団の監督経験者も含め複数を候補に挙げたとみられるが、過渡期のスムーズな体制移行には小久保2軍監督の昇格が最適と判断したもよう。4年ぶりの優勝だけではなく、今季終盤にデビューした20歳の井上、4年連続ウエスタン・リーグ本塁打王と2軍でアーチを量産しながら1軍に定着できていないリチャードら教え子の一本立ちにも期待がかかる。

 1989年の本拠地福岡移転後にホークスでプロ入りしたOBが監督になるのは初めて。王監督の下で4番を務めた99年のダイエー初優勝と日本一、秋山監督の下で主将を任された2010年のソフトバンク初優勝、翌年の日本一など、球団の歴史を先頭に立ってつくってきた「ミスターホークス」が常勝軍団の再建に取り組む。

 ◆小久保裕紀(こくぼ・ひろき)1971年10月8日、和歌山県生まれ。星林高、青学大から逆指名のドラフト2位で94年に内野手としてダイエー入団。95年本塁打王、97年打点王、99年は4番打者として球団の福岡移転後初のリーグ優勝と日本一、2000年のリーグ連覇に貢献した。04年に巨人へ移籍し、06年主将。07年にソフトバンクへ復帰し、09年から主将。10、11年のリーグ連覇、11年は史上最年長の40歳で日本シリーズMVPを獲得した。12年に通算2000安打を達成し現役引退。13年秋から野球日本代表「侍ジャパン」監督を務め、17年の第4回WBCで4強。21年にヘッドコーチとしてソフトバンクへ復帰し、22年から2軍監督を務めた。現役通算成績は2057試合で打率2割7分3厘、2041安打、413本塁打、1304打点。

※ソフトバンク球団は16日午後11時40分に同日をもって藤本監督が退任したと発表しました。

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