ソフトバンク前年Bクラスから優勝へ ラスト1か月、空前の大混戦で気になる「弱点」と「追い風」

2022年08月31日

 プロ野球のペナントレースは実質ラストとなる1か月に突入する。パ・リーグは8月31日の試合で首位西武が最下位日本ハムに、西武を0.5ゲーム差で追う2位ソフトバンクは5位ロッテを相手にいずれも黒星。首位から4位の楽天まで4ゲーム差と混戦のまま9月戦線へ向かうことになった。

 ここ数年でパ・リーグの混戦具合には拍車がかかっている。「残り1カ月」時点となる8月31日の首位と4位のゲーム差を見ると2017年=23.5ゲーム▽18年=14.5ゲーム▽19年=6.5ゲーム。コロナ禍で開幕延期となった20年は9月30日時点で8ゲーム、東京五輪開催に伴う中断期間があった昨年も9月30日で5ゲームだった。今年は混戦だった昨年よりさらに僅差でひしめき合う状態となっており、5位ロッテも5.5ゲーム差で逆転優勝の芽を残している。

 2年ぶりの優勝を目指すソフトバンクは8月中旬に柳田、中村晃、周東、牧原大ら主力がコロナ感染で大量離脱。緊急事態下で代役の若手が奮闘してどうにか持ちこたえていたものの、29、31日のロッテ戦では攻守にミスが相次ぎ連敗した。29日は逆転で1点差負け、31日は昨年を早くも上回る14度目の完封負けで首位再浮上に失敗した。

 バント、エンドランなど経験の浅い若手のミスも目立つが、昨年からの課題である競り合いでの弱さも改善されたとは言い難い。昨年8勝19敗だった1点差試合は今季ここまで12勝13敗で負け越し。逆転勝ちは上位4チームで最少の19試合、一方で逆転負けは最多の23試合だ。チームの得点圏打率はリーグ断トツの2割7分3厘を誇りながらなかなか白星に結びつかない。就任1年目の藤本監督が掲げる「1点を取りにいく野球」は道半ばといった様相といえる。

 相手と同じ9安打を放ちながら無得点に終わった31日のロッテ戦後、藤本監督は「つながらない。流れを変える1本がなかなか出なかった」と嘆き節。2点を追う5回先頭で安打を放ち、次打者の初球で二盗失敗のガルビスには「勝手に走りました。(エンドランなどの作戦は)何もない。びっくりしましたわ。2点差でさあいこうというところだったけど」と期待に応えないままシーズン終盤を迎えた新外国人の”暴走”に苦言を呈した。

 過去5年のパ・リーグ優勝チームはいずれも9月(20、21年は10月)の月間順位がリーグ1位。残り試合を最も多く残すソフトバンクは、遅くとも中旬に控える11連戦までには柳田ら主力がそろって復帰する見込みで「追い風」もある。ソフトバンクにとって前年Bクラスからの優勝となると2014年以来(13年は4位)。当時も投打に世代交代が急務だった時期で柳田、中村晃、今宮らはその後の黄金時代の主役となった。藤本監督の下で生まれ変わろうとしているチームが、新たな時代への扉を開くべく「勝負の9月」に挑む。

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