柳田悠岐にいま言葉を掛けるなら…小久保2軍監督「アドバイスじゃない。もがきなさい」

2022年08月15日

 パ・リーグは各球団が100試合以上を消化しペナントレースは終盤戦へ向かう。首位西武から4位楽天まで4ゲーム差、首位でも貯金は1桁の9という混戦の中、2年ぶりの優勝を狙うソフトバンクは苦しみながらも2位につけている。

 投打に離脱者が相次ぐ中、本来の姿からは遠いと見られているのが柳田だ。14日時点で打率はリーグ13位の.263。本塁打はリーグ3位タイの15本ながらトップの西武山川には20本差をつけられている。柳田は過去のシーズンで規定打席に到達して打率3割を切ったことがないだけに、得点圏打率.271と低調な数字を含め主砲として迫力を欠いていることは否めない。

 今年10月で34歳。昨年以降はアキレス腱や肩を痛めた時期などもあり、満身創痍の状態であることは想像に難くない。ここから年齢やコンディションとどう向き合っていくのか。現在は1軍の指導者ではないものの、背番号9の先代でもある小久保裕紀2軍監督に球界、チームの先輩として柳田に掛けるアドバイスがあるとすれば?とあえて問いかけてみると、次のような言葉が返ってきた。

 「アドバイスじゃなくて もがきなさいということ。もがいた先にしか自分の新たな姿は見つからないと思うんでね。変に照れ隠しすることなく、恥ずかしがることなく、その年齢とともに味のあるプレーヤーになっていけばいい」

 ダイエー、巨人、ソフトバンクで主砲として活躍し通算413本塁打を放った小久保2軍監督が最後に30本以上を記録したのは34歳シーズンの2005年。その後は故障や不調に苦しみながらも、目の前の現実と向き合いながらチームをけん引し続けた。柳田への言葉にはそんな経験を踏まえた思いも込められている。

 「こんなはずじゃなかった、っていうのは僕も何回もあった。なぜ打球がフェンスを越えないのか、と。でも、その時の自分がもがき苦しんだ先に新たな自分が見つかる。もがいている姿、その背中は若い選手たちも見ている、その時の姿が本当の野球選手の姿ですよって言ってあげたいですね。いい時は誰でもいいんです。いい時の後ろ姿はみんな一緒なので。今までずっと良かった柳田が苦しんでいる、その後ろ姿を見るというのも若い選手にとってはいい勉強になると思う。だからアドバイスというより、もがきなさいということですかね」

 小久保2軍監督は最終的に41歳シーズンの12年までソフトバンクで現役としてプレーし、通算2000安打も達成した。不動の主軸であるがゆえに不調に陥ると他の選手以上に注目される。自らの現役最終年、目の前でプロ初本塁打を放った後輩が"もがく"姿を先代の背番号9は温かくも厳しい眼差しで見守っている。

(TNC「福岡NEWSファイルCUBE」13日オンエア・YouTube「ももスポチャンネル」より)

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