主力大量離脱のソフトバンクが首位再浮上 残り試合最多...空前の大混戦、工藤前監督の見方は

2022年08月25日

 上位4チームが3.5ゲーム差以内と大混戦が続くパ・リーグは、24日の楽天戦に勝ったソフトバンクがロッテに敗れた西武と入れ替わり7月28日以来の首位に返り咲いた。

 後半戦の初戦で西武に敗れ2位転落。その後貯金を3まで減らし一時は3位に後退したが、8月19日から5連勝で貯金を7月8日以来の2桁となる10に戻した。

 先週から主力に新型コロナウイルス陽性者が続出し主砲柳田を含め大量に離脱。混戦から一気に脱落しかねない緊急事態に陥ったが、23、24日の楽天戦では代役で起用された若手たちが競うように快音を連発して底力を見せた。

 ソフトバンクの残りはパ・リーグで最多の33試合。前半戦で雨天中止やコロナ集団感染で中止となったゲームが7試合あるため消化ペースが遅く、もっとも試合を消化している西武、オリックスと比べると6試合多い。この影響で9月には今季最長の11連戦があり、現時点で今季最後の試合も10月2日までずれ込んだ。この消化試合の差が、優勝争いの最終盤にどう影響してくるかも注目されるところだ。

 近年のパ・リーグは優勝争いが最後までもつれる傾向が強まっている。2018年の西武は開幕から一度も首位を譲らなかったが後半はソフトバンクに猛追され優勝決定は138試合目(シーズンは143試合制)。連覇した19年もソフトバンクと激しく争った結果、頂点に立ったのは142試合目だった。コロナで開幕延期、短縮シーズンの20年はソフトバンクがロッテを振り切って残り9試合の111試合目で優勝。昨年のオリックスは143試合目を戦い終えた2日後、2位ロッテが敗れて25年ぶりの優勝が決まった。
 
 昨年までソフトバンクの監督としてチームを3度のリーグ優勝、5度の日本一に導いた工藤公康氏は、8年ぶりに”外野”から見る古巣を含む優勝争いを「楽しいですよ」と穏やかな表情で見守りながら、この先の展開について口にした。

 「この状態(混戦)でここまでずっときているんだから、急にガンと離れるには何かがある。勢いに乗るようなきっかけがあるでしょうけど、僕の予想では、それからガンと離れるというのは、体力的な要素のみ。体力のないチームは上がっていかないけど、体力のあるチームは最後まで温存しているわけではないけど、体力のあるチームが最後に上に上がる」

 工藤監督のこの言葉は8月中旬のもの。その後ソフトバンクは主力の大量離脱という緊急事態に見舞われたが、残り試合が減っていく中で現状を嘆いている時間はない。本来の戦力がそろうまで、目の色を変えてチャンスをつかもうとしている代役たちがどこまで踏ん張れるかもカギとなる。

 ソフトバンクは24日時点で59勝49敗2分け。勝ち数は最多の西武と2勝の差があるが、負け数はリーグ最少だ。柳田、中村晃、牧原大、周東らレギュラー野手を欠く中、同じくコロナ陽性で離脱していたエース千賀は28日の日本ハム戦で復帰する予定。今いる戦力が体力を振り絞って混戦に食らいついていけば、残り試合の多さを有利に働かせてチャンスが広がる可能性も高まりそうだ。

(TNC「福岡NEWSファイルCUBE」20日オンエア・YouTube「ももスポチャンネル」より)

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