“池の水抜いて半分だけ埋め立てる” どんな生き物がいるか生態調査 中学校建設予定地で 福岡市

2023年02月13日

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生徒数が急増、中学校を新たに建設するため埋め立て工事が行われている池で、11日、生き物の生態調査が行われました。

福岡市西区で実施された、池の水を抜いての調査。

さて、どんな生き物がいたのでしょうか?

福岡市西区にある「湯溜池(ゆだめいけ)」。

池の中央部には、鉄製の仕切りが設けられています。

生徒数が急増している元岡中学校から分離して中学校を新設するため、去年9月から池の半分を埋め立てる工事が進められています。

問題は、埋め立てる側の池に住む生き物をどう守るか?

それを解決するため、この池にもともといる在来種を保護し、外来種を駆除する目的で生態調査が行われました。

参加したのは、市の職員や建設会社のスタッフなど約40人。

生き物を捕獲しやすいよう、池の水は前の週から水深50センチほどになるまで抜かれています。

◆リポーター
「今、作業員たちが網を使って魚の捕獲作業を行っています。一体どんな魚がとれているんでしょうか」

できるだけ多くの生き物を保護するため、網で囲い込む「巻き網」という方法をとった作業員たち。

大量にとれることも想定し、網をつり上げるクレーン車も用意しました。

そうした中、見つかったのはー。

◆九州大学 林博徳 准教授
「ギンブナです」

体長15センチほどのギンブナです。

このほかにも、フナの稚魚や、今ではほとんど見かけなくなったメダカなどが確認されました。

◆九州大学 林博徳 准教授
「たくさん稚魚が捕れているので、ここの池で産卵して増えています。問題だと言われている外来種が多いと稚魚が食べられてしまうので、いないんだと分かりますね」

その後も網を入れ続けますが、ブラックバスやブルーギルといった外来種はみられません。

しかし、作業を始めて約6時間ー。

◆見学に来た人
「こんな大物が釣れるとは」

今回の調査で一番の大物、コイです。

在来種と思われがちですが、実は外来種なんです。

大きさを測ってみるとー。

◆建設技術研究所 宮島泰志さん
「大きさ80センチくらいありますね」

その大きさに子供たちも大興奮!

興味深そうに触ります。

◆見学に来た人
「すごいと思った。めっちゃヌルヌルだった」

◆見学に来た人
「子どもたちにはとってもいい経験。参加してよかった」

結局、この池からみつかった外来種はコイのみで、池の生態系を壊してしまうような種類の魚は確認されませんでした。

◆建設技術研究所 宮島泰志さん
「なかなか珍しいですね。小さい稚魚が多いのは、外来魚の影響を受けてなくて、このため池が自然の状態に近いことが分かります」

◆福岡市教育委員会 教育環境部 堀尾大輔 課長
「残す方の池に魚を移すことになりますので、引き続き同じ環境を保全していけたらいい」

この調査で捕獲されたメダカやフナは、埋め立てられずに残される池に放流されたということです。

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