「何とか川野さんの誕生日までに逮捕したい」 福岡県警の“アナログ捜査”が変装見抜く 博多女性刺殺

2023年01月19日

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18日に急展開を迎えた福岡市の女性殺害事件。

行方をくらましていた元交際相手の男をどうやって見つけたのか。

容疑者逮捕へ結びつけたのは、厳しい目を持つプロの“アナログ捜査”でした。

◆動画(関係者提供)
「はい、どうも、すすむちゃんです、よいしょ~」

カメラに向かって陽気に自己紹介する男。

◆動画(関係者提供)
「きょうも元気なすすむちゃんでございま~す。きょえきょえきょえ」

1月18日、殺人の疑いで逮捕された福岡市博多区の飲食店従業員・寺内進容疑者(31)です。

16日、博多駅前のビル街で起きた女性殺害事件。

寺内容疑者と連絡が取れず膠着状態が続くかと思われた状況は、18日、急展開を迎えました。

<福岡県警の会見>
◆福岡県警捜査一課 有馬健一課長
「きょう被疑者を確保した時に本人が所持していたものの中に刃物がありました」「自己中心的な、非道な、残忍な殺人事件であります」

元交際相手で会社員の川野美樹さん(38)は、頭・胸・腹など上半身を十数カ所刺され、死因は失血死でした。

川野さんの親戚は-

◆川野さんの親戚
「なんのためにやったか知らんけどね。殺しまでせんでよかったのに…。(別れた後に)ストーカーみたいにつけられていたということだね。警察に何回か相談に行ったって」

川野さんとの「別れ」を受け入れることができず、付きまとい行為を続けていた寺内容疑者。

去年11月、ストーカー規制法に基づく禁止命令が出されていたにもかかわらず、事件当日も仕事帰りの川野さんを待ち伏せしていたとみられています。

これは事件が起きる直前、現場近くの防犯カメラ映像です。

並んで歩く男女2人。

黒い上着の男が寺内容疑者、隣が川野さんとみられていて、会話をしているように見えます。

時刻は午後6時8分ごろ。

事件はこの5分後に発生しました。

その犯行直後には、走って逃げる寺内容疑者とみられる男の姿も捉えていました。

事件発生後、捜査本部は-

◆記者リポート
「被害者が相談していたトラブルの相手の男の自宅を警察が調べています」

捜査本部は、目撃情報や現場に残された指紋などから寺内容疑者を早々に特定し、家宅捜索などを行うも、肝心の行方をつかめきれずにいました。

事態が動いたのは18日午前6時ごろ。

捜査本部の元へ、一本の有力な情報が関係者から寄せられました。

◆提供された情報(取材による)
「中洲周辺で寺内を見かけた」

犯行現場から1.5キロ、自宅からはわずか900メートルしか離れていない中洲付近で寺内容疑者が目撃されたのです。

捜査本部は、顔写真などを元に容疑者を探し出すプロ「見当たり捜査員」を動員。

情報提供から約5時間半後、中洲の路上を一人で歩く寺内容疑者を発見しました。

その際、寺内容疑者は変装していたといいます。

◆捜査関係者(取材による)
「寺内容疑者は当時マスクと黒縁のだてメガネを身に着け、フードを被っていた」

◆発見現場付近にいた人
「あとからもどんどん来たので(捜査員の人数は)最終的には15人くらい。物々しさが半端じゃなかったので」

アナログな捜査が容疑者逮捕へと導いた今回の事件。

寺内容疑者は当時、凶器と見られる刃物1本を所持していましたが、抵抗することもなく容疑を素直に認めたということです。

◆福岡県警捜査一課 有馬健一課長(18日)
「川野さんはきょうが39回目の誕生日ということは認識しておりました。何とかこの日までに被疑者を逮捕したいということは強く思っていたということであります」

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