少年に懲役10年~15年の不定期刑を求刑 検察「更生の見込みなし」 女性刺殺事件 福岡地裁

2022年07月15日

2020年、福岡市の商業施設で女性が殺害された事件の裁判員裁判で、検察側は「保護処分による更生の見込みなし」として被告の少年(当時15)に懲役10年以上15年以下の不定期刑を求刑しました。

起訴状によりますと、少年(17)は2020年8月、福岡市の商業施設1階の女性用トイレで、買い物に訪れていた面識のない女性(当時21)を包丁で刺して殺害した罪などに問われています。

検察側の冒頭陳述などによると、女性は首など10数カ所を刺されるなどして出血性ショックで死亡、一番深い刺し傷は14センチもありました。

15日に福岡地裁で行われた裁判は、午前中に被害女性の母親が出廷し、「体のあまりの傷の凄さに娘に何度も声をかけて『痛かったね、苦しかったね』、その言葉しか出てこなかった」「(少年は)どんな生い立ちをしているか分からないが、やって良いことと悪いことがある。あまりにもこの事件、残酷すぎます」と涙ながらに語りました。

さらに母親は「出来ることなら犯人もその家族も同じ目に遭わせてやりたい」「被告には一生刑務所に入ってもらいたい。生きていること自体許せない」と話し、厳しい刑を望みました。

午後からは検察側の論告が行われ、「更生施設や児童自立支援施設、少年院で矯正を試みたが、改善せず本件に至った。罪と向き合う時間があったのに向き合う兆しがない。これらの理由により保護処分による更生の見込みなし」として、少年に対し懲役10年以上、15年以下の不定期刑を求刑しました。

不定期刑求刑の理由について、検察側は「少年は犯行を認めていて、当時15歳で未熟さもありうる」「死刑は重いと言わざる得ない」「無期懲役は十分考慮にあたるが、くむべき事情が多い」などと述べたうえで、懲役10年以上、15年以下の不定期刑は「無期懲役との境にある最も重たい部類」としました。

一方、弁護側は「きちんと治療を受け、まっとうな大人になるよう願う。トラウマを放置し必要な治療を怠れば再犯の可能性が高まる。少年法55条で家庭裁判所に送致し、医療少年院で治療を受けさせるべき」と主張しました。

(少年法55条:裁判所は、事実審理の結果、少年の被告人を保護処分に付するのか相当であると認めるときは、決定をもつて、事件を家庭裁判所に移送しなければならない)

最後に、裁判長からの質問に対し、少年は以下のように答えました。

◆裁判長
「最後に話しておくことは?」

◆少年
「特にないです」

◆裁判長
「よろしいですか?」

◆少年
「はい」

判決は7月25日に言い渡される予定です。

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