「上司が車を蹴った」 元工場長が語る実態 「上から圧力…従わないと更迭」 ビッグモーター不正請求

2023年07月20日

保険金の不正請求問題をめぐり中古車販売大手「ビッグモーター」に対する批判が高まっています。

テレビ西日本は単独取材で元工場長から驚くべき証言を得ました。

Q.なんで不正が起きた?
◆元工場長
「やっぱり一番上からの圧力ですよね。現場強要されるから、もうやるか、やめるか、降格させられるか」

TNCの単独取材で語られた不正横行の背景。

中古車販売大手「ビッグモーター」の九州の店舗で数年前まで工場長をつとめていた男性の証言です。

「ビッグモーター」が全国の工場で損害保険各社に対して保険金を水増し請求していた問題。

「ビッグモーター」は顧客の車の修理を行う際、故意に傷つけ、保険金を水増し請求していたことを認めています。

外部の弁護士がまとめた調査報告書によりますと、全国34か所の工場の板金や塗装の案件から無作為に抽出した2717件を検証したところ、1198件の事案が不適切と疑われました。

その中には福岡県内の事案もー

『調査報告書』には福岡県内にある6店舗の事案も含まれていて、検証された548件のうち半数に近い253件が不適切な事案の疑いがあるということです。

「ビッグモーター」で何が起きていたのか。

元工場長によれば、発端は今から10年ほど前に「ビッグモーター」のトップ・兼重宏行社長が打ち出した売上目標にあるといいます。

◆元工場長
「1番トップの方が、やっぱ数字はこれぐらい出してと。売上至上主義といいますか、無理な目標。無理無茶な目標ですよね。(売上の)悪い工場があったとしたら、『この数字、どうなってん なめとんのか。ボケー』と。目の前で殴られているのとか、見たことありますけどね。殴ったのは本部の方ですね」

無理な売上目標を掲げられ、追いつめられていったという現場。

利益を生む不正は公然と始まったといいます。

Q.自身が不正に関与したことは?
◆元工場長
「僕自身は無いですね。私が直接見たのでいいますと、私がいた頃の上司、本部の方が視察で回っている時、見積もりしている最中ですね。『まあ、中は大丈夫だね』って、私は見ていたんですけど、私の横に本部の方きて『気のせいじゃないか?中も修理がいるんじゃないか?』と。『えっ、修理は要らないですよ』と言うと、その直後に(本部の方が)蹴飛ばした。『ほら見てみろ、損傷してるんじゃないか』と。言葉がないっていう状況ですよね。損傷させているので、もう修理せざるを得ない。保険会社さんには『ここも損傷していた』と言って報告するしかない。そこまでして数字を求めないといけないのか」

Q.蹴飛ばした人はまだ?
◆元工場長
「現役ですね」

不正は全国の店舗に広がりました。

<2021年6月に撮影された映像より>
◆工場長
「写真映りはこれくらい。ここに刺して、ここから撮ったら溝があるような感じ」

今から2年前、福岡県外の「ビッグモーター」で撮影された映像。

顧客から預かった車のタイヤにドライバーでネジを突き立てているのは、この店舗の工場長です。

わざと顧客のタイヤをパンクさせることで、保険会社にタイヤ代を不正に請求したということです。

◆元工場長
「(売上をあげるように)どうしても上から詰められるので。今だったらパワハラですよね、それぐらいの勢いで言われるので、まあ耐えれない人は(不正を)もうやっちゃう。基本的にやりたくないっていう人もやっぱりいるので、従わないことで更迭されたり。危ないなと思って辞めていく人がどんどん増えていって、今の体制になったっていうような感じ。車の傷を増やして、見せかけの数字を作って、社長とか内部まではわからないので、頑張っているという評価になる」

今回の保険金不正請求問題で「ビッグモーター」トップの兼重社長は、報酬全額を1年間返上すると発表しています。

国土交通省も行政処分を視野に調べを進めていて、「ビッグモーター」はこれに応じる意向ということです。
保険金の不正請求問題をめぐり中古車販売大手「ビッグモーター」に対する批判が高まっています。

テレビ西日本は単独取材で元工場長から驚くべき証言を得ました。

Q.なんで不正が起きた?
◆元工場長
「やっぱり一番上からの圧力ですよね。現場強要されるから、もうやるか、やめるか、降格させられるか」

TNCの単独取材で語られた不正横行の背景。

中古車販売大手「ビッグモーター」の九州の店舗で数年前まで工場長をつとめていた男性の証言です。

「ビッグモーター」が全国の工場で損害保険各社に対して保険金を水増し請求していた問題。

「ビッグモーター」は顧客の車の修理を行う際、故意に傷つけ、保険金を水増し請求していたことを認めています。

外部の弁護士がまとめた調査報告書によりますと、全国34か所の工場の板金や塗装の案件から無作為に抽出した2717件を検証したところ、1198件の事案が不適切と疑われました。

その中には福岡県内の事案もー

『調査報告書』には福岡県内にある6店舗の事案も含まれていて、検証された548件のうち半数に近い253件が不適切な事案の疑いがあるということです。

「ビッグモーター」で何が起きていたのか。

元工場長によれば、発端は今から10年ほど前に「ビッグモーター」のトップ・兼重宏行社長が打ち出した売上目標にあるといいます。

◆元工場長
「1番トップの方が、やっぱ数字はこれぐらい出してと。売上至上主義といいますか、無理な目標。無理無茶な目標ですよね。(売上の)悪い工場があったとしたら、『この数字、どうなってん なめとんのか。ボケー』と。目の前で殴られているのとか、見たことありますけどね。殴ったのは本部の方ですね」

無理な売上目標を掲げられ、追いつめられていったという現場。

利益を生む不正は公然と始まったといいます。

Q.自身が不正に関与したことは?
◆元工場長
「僕自身は無いですね。私が直接見たのでいいますと、私がいた頃の上司、本部の方が視察で回っている時、見積もりしている最中ですね。『まあ、中は大丈夫だね』って、私は見ていたんですけど、私の横に本部の方きて『気のせいじゃないか?中も修理がいるんじゃないか?』と。『えっ、修理は要らないですよ』と言うと、その直後に(本部の方が)蹴飛ばした。『ほら見てみろ、損傷してるんじゃないか』と。言葉がないっていう状況ですよね。損傷させているので、もう修理せざるを得ない。保険会社さんには『ここも損傷していた』と言って報告するしかない。そこまでして数字を求めないといけないのか」

Q.蹴飛ばした人はまだ?
◆元工場長
「現役ですね」

不正は全国の店舗に広がりました。

<2021年6月に撮影された映像より>
◆工場長
「写真映りはこれくらい。ここに刺して、ここから撮ったら溝があるような感じ」

今から2年前、福岡県外の「ビッグモーター」で撮影された映像。

顧客から預かった車のタイヤにドライバーでネジを突き立てているのは、この店舗の工場長です。

わざと顧客のタイヤをパンクさせることで、保険会社にタイヤ代を不正に請求したということです。

◆元工場長
「(売上をあげるように)どうしても上から詰められるので。今だったらパワハラですよね、それぐらいの勢いで言われるので、まあ耐えれない人は(不正を)もうやっちゃう。基本的にやりたくないっていう人もやっぱりいるので、従わないことで更迭されたり。危ないなと思って辞めていく人がどんどん増えていって、今の体制になったっていうような感じ。車の傷を増やして、見せかけの数字を作って、社長とか内部まではわからないので、頑張っているという評価になる」

今回の保険金不正請求問題で「ビッグモーター」トップの兼重社長は、報酬全額を1年間返上すると発表しています。

国土交通省も行政処分を視野に調べを進めていて、「ビッグモーター」はこれに応じる意向ということです。

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