今年１月、北九州市にある「資さんうどん」の店内で撮影された動画には、共用のレンゲを使って「天かす」をほおばる男が映っています。

しまいにはポーズまで決めました。

男がレンゲで口に入れた「天かす」は卓上に置かれ無料で提供されているものでした。

そして５月２３日、警察は、「天かす」を頬張った北九州市に住む２２歳の男と、動画を撮影した２８歳の女を威力業務妨害の疑いで書類送検したと発表しました。

小倉北警察署などによりますと、２人は今年１月２２日、北九州市小倉北区の「資さんうどん」店舗内で、天かすを頬張るため共用のレンゲを汚したほか、その様子をＳＮＳに投稿し天かすなどの容器の変更やクレーム対応など店舗や運営会社の業務を妨害した疑いがもたれています。

調べに対し２人はー

◆男（２２）
「酒に酔っていて一緒にいた人を面白がらせるため」

◆女（２８）
「面白いことをしているので動画を撮っておこうと思った」

その場の悪ふざけで行った行為だったと供述している２人。

しかし、動画を見た「資さんファン」からは、発生当時から悪ふざけではすまされないとの批判が相次いでいました。

◆北九州市民
「これダメでしょう、これは絶対だめ、ありえない、なんで？なんでそんなことするの？わからない」

◆北九州市民
「それやられたら（資さんに）入るの嫌になっちゃうでしょう」

この事件を受け「資さんうどん」は事件があった店舗を消毒。

さらに不安を感じる客のため「天かす」と「とろろ昆布」を個別に包装して提供するなどの対策をとらざるを得なくなり、運営会社は警察に被害届を提出しました。

「資さんうどん」の店内で起きたこの「天かす事件」。

「資さんうどん」の経営に悪影響を与えてしまうのではないか。

そうした不安もあった中、ツイッター上では全国の「資さんファン」から応援の声が広がり話題になりました。

タイトルは「＃負けるな資さんうどん」でした。

◆メッセージ（男性）
「応援してるって伝えたくて今日のランチは家族と資さんうどん！かき揚げでっか！」

◆メッセージ（男性）
「いっぱい食べて応援してます！！」

◆メッセージ（女性）
「私たちの大切な資さんうどん」

◆メッセージ（女性）
「資さん大好きです！！」

商品の写真なども据えて「資さんうどん」に応援メッセージを送る全国のファンたち。

さらに地元からも応援の声がー

◆男性ファン
「北九州のソウルフードでしょう。こういうことがあったから（資さんうどんに）来ないとかはしない」

◆男性ファン
Q.「資さんを一言で言うと？」
A.「生きる喜びの場。美味しいもの食べて、一日の活力とエネルギーを頂いて、それで金額が全然無理しない」

◆男性ファン
「資さん頑張れ」

全国の「資さんファン」を怒らせた「天かす事件」。

事件の発生から２週間あまり。

あまりに大きくなった批判の声に驚き、天かすを頬張った男が警察署に出頭。

警察はその後の捜査で、動画を撮影した女も割り出しました。

警察によりますと、２人は事件直前に別の飲食店で知り合い、名前も知らぬまま資さんうどんに足を運んでいたと言うことです。

警察の調べに対し２人はー

◆男（２２）
「酔っていたとはいえ自分が天かすを食べるという行為が悪い。本当にすみませんでした」

◆女（２８）
「面白がって投稿したせいで店に迷惑をかけてしまいました。取り返しのつかないことをしてしまって本当に申し訳ありません」

２人は容疑を認め、謝罪の言葉を口にしているということです。