わずか4畳半のワケ 糸島の“小さな書店” 九州大学の学生4人が運営 「この広さが適している」 福岡県

2023年03月15日

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全国的にも人気の観光地、福岡県糸島市の商店街に“小さな書店”があります。

経営しているのは九州大学の現役学生4人。

「好きなことをやっています」と2年生の店長は語りますが、その“狭さ”には彼らの狙いがありました。

福岡県糸島市の前原商店街。

建物の2階にあがるとー

◆記者リポート
「店内かなり狭いですけど、独特の世界感が広がっています」

Q.こちらはどういったお店ですか?
◆中田健太郎さん(20)
「同じ大学の同じ学部の4人で好きなことをやっている本屋です」

1年前にオープンした小さな書店「ALL BOOKS CONSIDERD」。

店内の広さはというと・・・

なんと4畳半!

店長は九州大学共創学部の2年生・中田健太郎さん、同じ学部の仲間4人で共同経営をしています。

店内に並ぶ200冊の本は4人が独自に選んだ新刊や古本です。

選ぶ基準は「読んだあとに考えが揺さぶられる本」だといいます。

◆中田健太郎さん
「『新しい声を聞くぼくたち』っていう本なんですけど、フェニミズムに対して男性がどう動いたらいいのか、どう考えたらいいのかみたいな内容も気になるし、切り口もおもしろい」

4畳半という店の狭さには理由が-。

◆中田健太郎さん
「お客さんが手に取ったときに、『おすすめのポイントありますよ』と言えるのは、この広さがすごく適している。世間話をすることもすごく多いですし、お客さんとの交流が自然に起こるのはこの狭さの魅力なのかな」

ここは本を通して会話が生れる書店ー。

県内外から本好きが訪れ、長いときは1、2時間話し込むこともあるといいます。

◆中田健太郎さん
「高校の時に通っていた本屋さんがあって、自分の将来が分からなくなった時期で、そういう時に世の中っていろんな可能性がある、考え方って一通りじゃないというのを教えてもらった。本でいろんな世界があるというのを自分で表現したい」

オープンして約1年。

仲間たちと夢を持って始めた本屋ですが、実際には経営はぎりぎり。

学業と両立しながらの運営のため、開店できる日は時期によってまちまちです。

多い日には20人ほどが訪れますが、来店客ゼロの日もー

今のところ、毎月の経費を払うだけで精一杯ですが、店長の中田さんは前向きです。

◆中田健太郎さん
「利益を出すのはお店という体裁を持ってる上ですごく大事なことだと思いますが、自分がやりたいことをやめたくない。そういうのに尽きる。まだやれると思うことがたくさん残っているから、続けることが大事。卒業した後も続けるつもりです」

四畳半の「小さな本屋」で挑戦を続ける大学生ー。

「本」を仲立ちに生まれる親密なコミュニケーションに、大きな可能性を感じています。

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