福岡市の水道水で異臭 原因は「オシラトリア」か カビ臭さ生み出す植物プランクトン

2022年11月30日

サムネイル
福岡市内で“水道水から異臭がする”という苦情が相次ぎました。

その数は約500件。

一体何が原因なのか?

そして、健康への影響は?

現場を取材しました。


◆福岡市在住の人
「顔を洗おうとしたときに、明らかに墨汁みたいな臭いがしたんですよね。墨汁というか、土というか」

◆福岡市在住の人
「口に入れて『あれ?』っと思って、ペッと出しました。金魚鉢の水みたいな、そんな感じなんですよね、味が…」

私達の生活に欠かせない水道水。

福岡市の水に一体何が起こっていたのかー

問題が発覚したのは11月27日。

福岡市水道局の電話が鳴り止まない事態になりました。

◆福岡市水道局への電話
「水道がカビ臭い」
「水道の水が土臭いし、泥臭い」

影響が生じたのは福岡市南区の高宮浄水場が配水するエリアで、中央区や博多区など、西区をのぞく6つの区で確認されました。

29日午後9時半までに寄せられた苦情は計500件近く。

過去10年をさかのぼっても前例がない異例の事態に、市水道局は対応が遅れ、SNSでも混乱が見られました。

◆SNSへの投稿
「3日前から臭い状態なのに、改善されてないのはおかしい」
「福岡市は臭い問題を早く公表して」

◆福岡市在住の人
「情報が全くなかったので、福岡市のインターネットとか見たんですけど、ツイッターでしか情報が取れなくて」

発生から2日が経過ー

ようやく、その原因が判明します。

◆記者リポート
「福岡市南区の那珂川下流域です。あちらの取水場から水を汲み取るのですが、この川の水に大量の藻類が流れ込んでいたということです」

カビ臭さの原因とみられているのが「オシラトリア」。

「オシラトリア」は植物プランクトンの一種で、カビ臭物質を生み出す種類もあるとされています。

このオシラトリアが、周辺のため池で何らかの理由で増殖し、その後、川へと流れこんだとみられていて、浄水場で検出されるのは通常1ミリリットルあたり0~2個ほどですが、今回は114個確認されたということです。

水道局が取水地点を変更するなどの対策を行い、30日朝には大部分が改善していて、12月1日までにはほとんどの地域で問題は解消する見通しとなっています。

しかし、30日朝に取材に応じた人はー

◆福岡市在住の人
「きょう朝顔を洗う時に確認しようとしたんですけど、やっぱりこれで顔を洗えないと…シャワー浴びたりすると口に入ってくるので、これ大丈夫かなと思いながら」

気になる健康への影響についてはー

◆福岡市水道局
『健康上支障はありません。匂いが気になる場合は5~6分煮沸してください』

市水道局は、これまで1日2回、1人で行っていた水質検査を、今後複数人で行い再発防止に努めたいとしています。

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